ちずぶらりHackers

オープンソースの古地図/絵地図アプリ基盤、Maplat開発してます。同種のソリューションに対する優位性は、色々ありますが一番は、あらゆる地図間で双方向1対1座標変換可能な点です。ぷらっと会津若松 https://s.maplat.jp/r/aizumap/ 、ぷらっと奈良 https://s.maplat.jp/r/naramap/ 、ぷらっといわき https://s.maplat.jp/r/iwakimap/ 、ぷらっと館林 https://s.maplat.jp/r/tatebayashimap/

璉珹寺通信寄稿『さろんに通って6年、関東からももう4年』

私は毎月1回、関東から奈良京終の璉珹寺へ京終さろんというイベントに参加させてもらうために関西へ戻っているのですが、この度、その京終地域のローカル情報誌である『璉珹寺通信』2020年新年号に寄稿を依頼されました。 その内容をブログにも転載しておきます。


 京終さろんに私が通い始めて、もう6年程度になります。通い始めた頃は高畑に住んでいたのですが、2年ほど通った時に転職の都合で関東に引っ越さなければならなくなりました。でも京終さろんから離れたくなかった私は、それから今まで4年、関東は相模原からほぼ毎月、京終さろんに通い続けました。この12月で、関東で新しい会社に転職したのですが、一つの会社に在籍するのは4年我慢できなかったのに、京終さろんには6年を超え通い続け今後も通うのですから、私の奈良好き、京終好き、京終さろん好きも我ながらあきれるほど大したものです。

 京終さろんに私が通い始めたきっかけですが、私はIT技術者で、古地図を使って街歩きできるアプリ*1をつくったり、ITテクノロジーを使って街をよくしていくボランティア活動団体*2に属していたりしていました。そういった活動をしていくにあたり地域のコミュニティに困っている事を聞いたり、解決すべき問題を見つけたりする機会が欲しくて、地域の人が集まっていると言う京終さろんに参加し始めたのが最初です。ですがすぐに、そういった最初の目的より、京終さろんそのものが面白くて通うようになりました。毎回思っても見なかったような角度から京終やならまちの魅力を語ってくれる講師の皆さん、そしてそれを元に豊富な知識を持って議論する地域の参加者の皆さん。こんな面白い空間が世の中にあるとは私はそれまで想像もしていませんでした。

 奈良だけでなくいまや群馬館林など各地の地誌も読み調べ散らかしている今の私をご存知の方は意外に思うかもしれませんが、ほんの6年前まで、私は地域史とか特に詳しくなかったのです。高校の頃歴史学志望だったり、事業で古地図扱ったりと言う素地はありましたが、基本ずっと技術者だったので、そこまで地域史に興味もなかったのです。それが地誌を読み漁ったり、街歩きでいろいろ調査したりし始めたのは、一重に京終さろんに通って、講師や参加者の人からいろいろ教えてもらった結果です。一度興味を持つと人一倍のめり込むのと、誰もやってない事をやりたいという欲があるので、これやる価値があるのじゃないか?と思って奈良中の地蔵や祠の場所を記録して回ったり、地誌や古地図内で(多分)新しく発見したことを披露してみたり、あるいはこの歴史間違っているのではないか?とか、飛鳥神社の由緒の話などでは多少暴走してご迷惑をおかけしているかもしれませんが、ぜひ暖かく見守ってください。

 私の出身は姫路で奈良に対しては新参者(どころか正確には既に去った者)ではあります。ですが、姫路では多少知られた詩人である祖父((大塚徹)))が、作詞したいくつかの姫路ローカル歌謡曲が、京終に縁のあるテイチクから発売されていて、偶然ですがここに来るのが運命でもあったような、不思議な縁を感じています。そして、そういった地域の隔たりを超えた京終への縁を、あえて遠くに住んでいる立場を活かして、今度は私が作り出したい。11月の京終さろんでは、京都から大学時代のサークルの後輩を呼び寄せて、古典と新作の狂言比較という新しい試みを楽しんでいただきました。私も手伝いですが、6年を経て初めてさろんの講師側に立たせていただいて、嬉しく思っています。特に何が具体的に動いているわけではないですが、寮さんが提唱している中将姫を奈良で盛り上げていく話も、中将姫は東北から九州まで全国に逸話がある奈良を超えたヒーローですので、ぜひ前に進めたい。私の友人の、群馬の歴史研究者が提唱した概念に「大字(おおあざ)史」というのがあり、それは大きな歴史ではなく、小さな大字単位の歴史を住民が主体で掘り起こし、記録し出版し、そうしてできた小さな歴史を関係性で織りなすように繋げて大きな歴史を再構築していく試みですが、もうすぐ京終本を発行される京終は、偶然にもその大字史のような概念が奈良でももっとも進んでいる地域ではないでしょうか。その京終の大字史を、奈良、日本、世界との縁につなげる一助に、今後も関わっていきます。

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