Code for History

"Code for History"はIT技術を歴史学上の問題の解決に使うコミュニティです。強調したいのは、我々にとってIT技術は「手段」であって「目的」ではありません。「目的」は歴史学上の問題を解決する事であって、必要であればITでない手段も活用します。常に最優先なのは、問題を解決することです。

誰も伊達や酔狂で1億円企業と喧嘩なんかしねえよ

伊達や酔狂、ワガママでStroly社と争ってると思われてる節感じるけど、社員10人以上抱えて弁護士までついてる1億円企業相手に1人で喧嘩して怖くないわけないやろ。
あの会社が俺に対してなしたいまだに謝罪ない脅迫、騙しに対する怒りと、まだ開発中途だった中途半端な技術を拡散される事の社会的損失に対する危機感がなけりゃ、こんな喧嘩とっくにやめてるわ。

あと、と言いながらも、同じ業界にお互い居てイベントなどで顔合わせることも多いんだから、お互いに謝罪し合って過去の事は水に流そうぜ、という呼びかけは常に俺の方から何度かしてる。
それに対して弁護士がしゃしゃり出てきたり、警察に通報した、などと常に逃げ回ってるのがStroly社の方。
嘘だと思うなら弁護士との内容証明のやりとりで俺の方から出したもの公開でもなんでもするけど。

Maplatのキーワードは、Strolyでは実現不可能な「非線形全単射投影の保証」

Maplat会津若松版をSotM会津若松で宣伝したいと思って、現地で売りを列記したチラシを配布しようと思ったのだけど、念のため運営に確認したら、スポンサー代を払わないと現地でチラシは配れないと。
スポンサー代調達しようかとも思ったけど、やっぱキツかったのでそれは断念。
代わりにMaplatのTシャツを作って現地で着て歩くことにした。
チラシでならいろいろとMaplatの売り、できることだの何だのてんこ盛りにしようと思ってたんだけど、Tシャツだと一発で見た人が興味持ちそうなこと書かないといけない。
で、何にしようかと思った時、一瞬でひらめいた。
古地図座標系と正確な地図座標系の間の「全域(−∞〜+∞)」で、「非線形全単射での投影変換」が「保証」されること。
これしかない。

英語で書くと、"Guaranteed nonlinear bijective projection"。
ちずぶらりに合流する前のマピオン時代から、8年越しで古地図を扱う技術として実現したかったことで、Maplatでも、ここ1ヶ月ほどでやっと実現できるようになった性能。
Maplatで実現できていて、Strolyで実現できてないことは山ほどある。
リアルタイムでの古地図と正確地図の重ね合わせ。
Webでの、方角と地図スケールの重ね合わせ。等等。
が、どれも、その差が生まれたのは開発担当者の能力の違いであって、技術ポテンシャルの根本的な差異ではない。
ぶっちゃけ、リアルタイム重ね合わせは、インパクトの割に正直言うと「虚仮威し」だし、方角と地図スケールの重ね合わせは、Stroly側でも俺が残してやったスマホ版では実現できている。
Web版Strolyで実現できていないのは、ぶっちゃけ開発者の怠慢、あるいは能力不足でしかない。
今の三流開発者に取って代わるような、超一流開発者がStroly社に入れば、あっという間に覆される優位。

それらに比べて、「非線形全単射での投影変換」は、原理的にStrolyでは絶対に実現できない機能。
どんなに優秀な技術者が入っても、「StrolyがStrolyであること(つまりは、今の特許取得対象技術)」を捨てない限りは、原理的に絶対できない(できると主張する奴がいるなら、そいつは数学ができないアホ)*1

Strolyが誇りとしている「特許を取得しているという事実」、その請求項に示されている手法では論理的に絶対にできないことだから、この優位は絶対にStrolyから覆されることはない。
また、Strolyの特許技術で原理的に実現できないことをこちらが実現していると言う事実は、とりもなおさずこちらがStrolyの特許を侵害していないという証拠にもなり、Strolyがこちらにスラップ訴訟等を起こす可能性に対する、最高の防御にもなる。
この売りを前面に出さない手はない。

また、全単射投影保証が実現できていると言うことは、とりもなおさずGISで重要なトポロジーの保存なども保証されると言うことだ。
つまりは地籍図の変換など、遺産や税金など大きなお金が動くセンシティブな分野でのGIS利用とも融合できる可能性が出てきたと言うことだ。
古地図連携技術が数奇者のおもちゃだけでは終わらなくなったことも意味する。
ここに未来がある。

今後Maplatを売り込む時は、「非線形全単射投影の保証」を前面に推して売りだしていきたい。

*1:というか、Stroly社が取得している特許5810411号の請求項2と請求項9は、原理的に全単射実現できないStrolyが、少しでも「全単射っぽく」見せかけるための技術で特許が成立している。この特許の存在自体が、Strolyが全単射できないことと、全単射の重要性、そしてそれを実現したMaplatの有用性の証拠になっている。

SotM2017向けにMaplatを整備してみて

Maplatを今年のState of the Map Aizuwakamatsu向けに整備しての気づき: ‬

‪データ整備:‬

  • 同じ地域の古地図を多数マッピングする場合、正確地図側のマッピングポイントはほぼ同じところになる場合が多い。地域毎のマッピングポイント候補データセットか、あるいは他の地図のマッピングポイントを読み込める機能と、それに対するだいたいの対応点位置リコメンド機能が必要。
  • 対応点としてのGCPと、トポロジーエラー解消のために加えた補助GCPを見分ける属性必要。

アプリ側:

  • 地図もPOIも、こちらから提供した情報しか表示できないアプリだと、それだけで街歩きが完結できない。予約してる宿の場所やコンビニの場所、トイレの場所など、ユーザーが他から得た情報の取り込みUI必要。
  • POI説明文の中に別の施設の説明がふくまれていることがあるが、その施設がPOIとしては整備していなくても、準備した地図の中に画像情報として含まれていることがある。そこに対し、地図IDと座標などで遷移できるリンク機構を準備すると、コンテンツの連携を高めることができる。

祖父作詞の流行歌の動画がネットに上がっていた

祖父作詞の1936年の流行歌の動画がネットに上がってるのを発見した。

www.youtube.com

先日、奈良のうとうとさんの詩の朗読会に参加して、自分の下手くそな学生時代の詩をネットから掘り起こすか、祖父の詩をネットから掘り起こすかで悩んで、結局祖父の詩は掘り起こせなかったので自分の詩を詠んだんだけど、代わりにこの動画を発見することができた。

サーバレス技術のみで古地図関連技術を何とかしたい

今の仕事に移って本業で技術に触れられなくなって、また余暇でMaplat開発が進んできたりして起きた心境の変化に、サーバ技術が大嫌いになったというのがある。
昔はサーバサイド技術者だったのが、今はとにかくサーバサイドをなくしたい。

バックエンド処理が必要だとしても、とにかくサーバを立てたくない。サーバレスアーキテクチャで済ませたい。
もともとStrolyやってた時も、少ない人数でお守りするものを減らすために、基本S3だけで完結するようなシステム設計してきたので、そういう方向性あったんだけど、今は拍車がかかってる。

ずっと本業でお守りできる状況ならサーバの面倒見てあげるのも悪くないが、たまにしか面倒見てあげられない状況で、ずっと起動しっぱなしで課金もずっとされて、ずっと状態監視して、不調起こしたら即座に対応してあげないといけなくて、なんてシステムを動かすのはコストがあまりにも高すぎる。
たとえ起動時遅延や過剰コストが多少あったとしても、サーバレスアーキテクチャで関われる時だけ関わるだけでよいシステムの方が絶対安上がりなはず。
古地図タイル化もサーバレスアーキテクチャでやれる目処ついたし、たくさんの古地図を集めてアーカイブ化するシステムも、サーバレスアーキテクチャでかつ分散処理でやれる腹案があるので、(FOSS4G TOKYO 2017 懇親会ライトニングトークで話します)Maplatは徹底してサーバレスな仕組みでStrolyに対抗していく所存。

古地図で街を歩かせることについての、インバウンドがらみでの一考察

古地図全般を美術品的に愛でる意味ではなく、飽くまで古地図で町歩きをするという視点だけで考えて、海外の人に日本の古地図町歩きは刺さらないのではないだろうか。

というのは、我々極東の住人としては、リンガフランカと言える英語の文字アルファベットも知っているし、世界史の舞台も知っているので、欧米の古地図でも楽しめるし、同程度に海外の人も日本の地図を楽しめると勘違いしがちだが、
海外の人は世界言語でない日本の文字など知らないし(ましてやくずし字!)、日本の歴史などそれほど知識として持っていない。

我々がたとえば会津の古地図で町歩きして、おお、ここが西郷頼母の屋敷跡、ここが田中土佐の、佐川官兵衛のと楽しめても、海外の人たちはそんな名前は読めないし、そもそもそんな人たちを知らない。
そういうコンテキストが読み取れない状況では、古地図は単に見にくい不正確な地図でしかない。
だから、海外の人々にも刺さるようにするには、古地図で町歩きさせるだけでは不十分で、その上に乗せるコンテンツも相当に洗練させないといけない。

逆に言うと、それを洗練させる余力がない間は、あるいは国外コンテンツも充実させる余力がない間は、無理して世界に出ようとせず、とりあえず国内に注力だけしていれば良いのではないか。
また、古地図の美しさを維持するために何も加えない事にこだわるよりも、積極的に注記に訳やコメントを加えていく姿勢の方がいいのかもしれない。

違う、リベラルがダメになったんじゃない、「普通の人」「賢しげな人」がダメになったのだ。

トランプは、環境に関する科学的研究に、科学的に反論するのではなく、成果発表やファクトチェックを禁止するという。
https://twitter.com/KeikoUTorii/status/823996702017327104
トランプの大統領令のために、アメリカのイラン人大学生はフィールドワークから帰れなくなったという。
https://twitter.com/kazukazu881/status/825403060826550274
トランプの大統領令のために、ダルビッシュ父親は息子に会いに行けなくなる可能性もあるという。
https://twitter.com/atmicksan/status/825551605009248258

まだ今の所、軍隊で反対派を鎮圧といった状態ではなく、単にペンでサインしただけなので、その意味で平和裡なことしか行っていない?いないが、これが最上級の暴力、不正義でなくてなんなのか。

トランプ政権が明らかになった時、ちょっと頭良さげにすかしてる連中で、下手な正義感を振りかざしてない分、後から見れば割とマシな大統領になるんじゃないの、とか抜かしてる連中が何人かいた。
トランプに抵抗するアメリカのリベラルの連中が、一部、もちろんあってはならないことではあるが、放火だの暴力的行為に走ったことについて、非暴力を叫ぶものほど暴力的だよね、とどっちもどっちで相対化し、切断処理を行った「普通」の人たちもたくさんいた。
そして、そういった人たちが、返す刀で「リベラルはダメになった」とかのたまう。
違う、リベラルがダメになったんじゃない、「普通の人」「賢しげな人」がダメになったのだ。

正義には多様性がある、正義は暴走することもある、そんなのは当たり前の事で、正義を語るならそれを毎日自省しないといけないのは当たり前の事。
だが、いつから大人になるということが、正義を疑いつつ悩みつつも、自らのそれを選び取る事ではなく、いずれの正義も選び取る事なく、どっちもどっちと距離をおいて、価値判断を行わずにニヒルに振る舞うことになったのか。
社会の実像がどうだろうが、せめて理念だけでも理想や綺麗事を提示できるのが大人じゃないのか。
そりゃいい歳した大人が、成年したばかりの青二歳よろしくしょせん世の中なんてそんなもんと開き直って、どっちもどっちとか言って我関せず決め込んでたら、子供達だって「いじめられる子にも悪いところあるわ、どっちもどっち」とか言い出すわ。

どっちもどっちというなら、思うなら、どっちもどっちだから我関せず、じゃなくて、どっちも怒ったらええねん。
どっちにも怒って、両方を見つめてたら、対等な人々のゆるいつながりで、末端の人の一部の暴走を必ずしも止める力も権限もない状況での一部の暴力と、一つの指揮系統に従った確固たる動きで、末端の構成員が自分の行動に疑問を感じてもそれに抗うこともできない状況で行われる暴力の、どちらにより力を入れて声をあげていかないといけないか、小学生にだってわかってくるだろう。

俺はこんな事言うてもヘタレなので、社会に影響を与えるレベルで声を上げることはできないし、しょせん社会活動への募金額よりもソシャゲへの課金の方が桁が大きいアホやけども、俺のできる範囲の事では黙るつもりはない。
自分の私的な事でも、大人気ないといわれようが、前々社の不当な扱いとか、ほとんどの人が味方になってくれなくても自分一人でひたすら抗議続けてるような人間なので、別に子供じみてると言われようが、何を言われようが必要な声はあげるし他の人が挙げてたら支持する。
不当なことに口をつぐむのが大人じゃなく、不当なことを不当と綺麗事を言うのが大人だと思うので。

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