Code for History

"Code for History"はIT技術を歴史学上の問題の解決に使うコミュニティです。強調したいのは、我々にとってIT技術は「手段」であって「目的」ではありません。「目的」は歴史学上の問題を解決する事であって、必要であればITでない手段も活用します。常に最優先なのは、問題を解決することです。

世界観が一番重要なのじゃなくて、世界観が全てだった

ポケモン取り放題! 大阪の商店街、有料アイテムで集客

位置ゲー作る側の仕組みとして、こういう経路は全く思いつきませんでした。
私ら過去位置ゲー作るときに、世界観が第一とかいいながら、マネタイズ要素は別とどうしても思い込んでて、個別にクライアント開拓して、個別にシナリオ作って、むりくり全体の世界観にねじ込んで...というのしか思いつかなかったですけど、

そうじゃなくて、世界観が第一とかですらなく世界観が全てで、その世界観の中にユーザ同士が利便性を有償で供与できるようなエコシステムさえ作っておいてやれば、後は個別にクライアントなんか開拓したり契約結ばなくても、運営側からはユーザ同士でしかないクライアントとエンドユーザが勝手に経済回してくれて中抜きで儲けられるんだなあと、やっぱ頭いい人らは違うなあとショック受けました。

あとそういう集客だけでなく、うまく使えば投票率アップとか社会問題解決にも使えるわけですよね...世界観が全てでちゃんと設計すれば、そんなポテンシャルもあったんだなあと驚いてます...

ポケモンGOで道路消える問題、データ構造の変更っぽい

ポケモンGO、道路が消える問題っていうの新横浜では中々見つからなかったのが昨日から再現してたけど、アップデートしたら描画の仕方が変わる形で直った。


いくつか小径も追加されてる。

全部同じ太さの地図だとあまりに見にくいから、道路種毎に描きわけるデータに徐々に変更した上で、新データを解釈できない旧アプリで道が消えていたでFAなのかな?

でも描画変えるのはいいけど、消えてた幹線道路が生活道路より細い形で復活してるのがモニョる…
もしかすると種類で描画変えるのではなく、みんな共通に細くしようとしてて、新規追加の小径と主要道だけ優先して更新してるので細くなってるけど、生活道路は更新後回しなので太いままなのかも。

ポケモンGOは「想定外に流行った」というよりは、「位置ゲーが流行ればこうなる」という最初の事例かなと

ポケモンGOの現象って、「ポケモンという人気のガワを被せたというだけだとここまでのヒットを説明できない」というよりは、今まで位置ゲーがヒットした事がなかったから、まさに世界初の現象なので想定外の事に見えてるだけで、「ここまでヒットした」んじゃなくて、「ヒットしてるものが位置ゲーになればこういう事が起きる」初めてのサンプルという捉え方のほうが正しいんじゃないかなと思った。
飽くまで私見だけど。

だって、ポケモンって1万円近い金払って買わないといけないソフトが、以前の勢いはなくなってるとしてもいまだに1シナリオ更新で800万本くらいは出てるわけで。
それだけ払っても買う層がそれだけいる中で、基本無料のソフトが出ればみんなとりあえずは入れてみるでしょう。
そしたら有料コンテンツの10倍とか100倍の数でても不思議ではないわけで、今わかってる数字はこれくらいしかないみたいですけど、むしろ1万円のソフトと比べて無料なのに10倍程度のオーダーしか出てないの?とむしろ少なく見えるくらいで(有料は子供向け、GOは大人向けと差はあるにせよ)、潜在能力はもっとあるでしょう。

で、昔コロプラがコロカやったら、田舎の寂れてた名物店に列ができるくらい人が殺到した、なんて事も起きてたわけで、コロプラのささやかな(当時としてはすごかったですが、PokeGOと比較すれば)会員数でもそれだけの事が起きてたのに、その下手すれば100倍の層が、遠くの田舎じゃなく近くの公園に行くだけで楽しめるなんて形であれば、そりゃ飽きるまでの初動はこのくらいの事起こっても不思議じゃないよね、と思えます。

なので、「予想以上に流行った」じゃなくて、「流行る要素は普通にあるので想定通り(予測できてたかはともかく、後で妥当だと思える程度と言う意味で)流行った、でも初めての流行ジャンルなので、それで起きた現象は想定外と思えるほどだった」というのが正しいのかなと。

ぶっちゃけIngressは流行らないと思っていたので、焦ってポケモンGoには追いすがってる

位置ゲーご意見番のつもりだった癖になぜIngressに走らなかったのかって、位置ゲーを下手に運営してただけに経験則でIngress絶対流行らないと思ってたところもあるのよね。

位置ゲー「ゼロサムゲームの奪取系」「自分との闘い国盗り系」「交流で世界が育つコロプラ系」という系譜があって、ユーザがシジフォスのように終わりのない苦行で消耗するゼロサム奪取系は全く市場が大きくならなかったのに対し、国盗り、コロプラの順で成長したので、ゼロサムゲームは成長しないという経験則を持ってて、Ingressは間違いなくゼロサムゲームなので育つわけがないと思って無視してたら、きっちり最低限は流行った挙句、ポケモンGOに繋がったので焦っているという。

今思えば、ゼロサムゲームといっても個人戦と団体戦では全然違うし、空間に絵を描くとか自己顕示欲要素もあったり、ミッションとかも後から追加されたり、予想外に流行った理由も説明できないではないけど、しかし結果的に経験が目を曇らせるということもあるのだなあと思いつつ、ポケモンGOについてはちゃんと注意と対策を払っていきたいと思っている次第です。

ポケモンGO(位置ゲー)はソシャゲを侵食はするが滅ぼしはしない

Facebookの記事から引用。
すみません、あいかわらず高橋徹への批判が入っているのはご愛嬌で...

随分前に「ソシャゲなんてぶっ潰せ」と勇ましいことを言ってた某君、ソシャゲぶっ潰すどころか自身の食扶持すら毎年公的補助金なしでは回らない状況だったので何言ってんだという感じなんだけど、この記事ポケモンGOがソシャゲを食ってるという話を見て「ザマミロ」的な事言ってたみたい。

一昔前のソシャゲは確かに、私が関わったもののプロデューサに世界観むちゃくちゃにされた某タイトル含め、安い絵師にエロい絵描かせて、こればら撒いておけばお前ら金出すんだろ?的なものばかりだったけど、流石にソシャゲ市場も淘汰されてきて、今生き残って高い収益上げてるものは、アイマスデレマスにせよ、グラブルにせよ、Fate GOにせよ、下手な小説や漫画より背景世界やキャラクターの掘り下げ、連携できてるし、だからこそ漫画やアニメに逆進出もできるし二次創作も盛況なわけで、今やソシャゲもシステムではなく物語性や世界観で生き残る時代に変わってきている。

そこにポケモンGOだけど、ポケモンGOもさほど今まで芽が出なかった位置ゲー市場に、ポケモンという20年近く積み重ねられてきた世界観が載ったからこそのヒットであって、そこにあるのは個々のタイトルの世界観vs世界観の闘いと言っていい。
今のソシャゲの現状も知らずに、ソシャゲ憎しで位置ゲー対ソシャゲ文脈でソシャゲザマミロみたいなのは甘い考察としかいいようがない。
多分彼には、可処分時間の奪い合いのソシャゲと、可処分時間どころか移動中の一瞬の奪い合いの位置ゲーの違いもわかってない。

位置ゲーが認知された事で、可処分時間の中での「移動」と「停滞」の割合は前者が後者を多少侵食していくと思うけど、位置ゲーの文脈では、ソシャゲとの間の時間の奪い合いより、位置ゲー間の一瞬の奪い合いの方がはるかに熾烈
ソシャゲの時間は確かに一時的に減るかもしれないけど、位置ゲーは「移動」という文脈の中でしか機能を持ち得ないので、全ての人が可処分時間の全てを移動に費やす事は無理なので、どうしても残る「停滞」の時間の奪い合いに位置ゲーが参入する事はできない。
自然に住み分けができてくるので、位置ゲーが一時的にソシャゲの売り上げを減らす事はあっても、位置ゲーがソシャゲを潰す事は絶対にない。

というか、「ソシャゲであれだけ無意味だと思える絵やキャラクターにガチャでユーザが金をつぎ込むのなら、猫のアイコンが写真の履歴一覧で撮った向きを伝えてくれるカメラアプリで、猫の種類を変えたり犬に変えたりの機能を100円とかで売り出せば、大儲けできるんじゃね?」とか運営センスの欠片もないこと言いだして、私に大反対された彼に、ソシャゲを見下す資格などないように思えるんだけど...

高知市津波/洪水ハザードマップのkml/TMS公開しました。

台風11号、エラい勢いです。
気象庁によると、まだ九州南にいて列島上陸は明日の予定のようですが、それでも奈良でも今にも洪水になりそうな雨の勢いです。

これ、数日前に騒がれてた高知、また危ないんじゃないの?と思って、数日前に作成した高知市の洪水ハザードマップ/津波ハザードマップkml/TMS化したものを公開しておきます。
高知市には事後になりますが、メールで利用許可申請しておきます。

kmlを使っていますので、PC/スマホを問わずGoogle Earthで表示できます。

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URLをメール等でスマホ等に送って、リンクをブラウザ等で開くと、Google Earthの入ったスマホでは開く事ができるはずです。
もちろん、Google Earthの標準機能はそのまま使えますので、現在地との比較等も可能です。
TMS形式でも提供していますので、若干プログラミング等は必要かもしれませんが、Google Maps API等からも利用可能です。

作成は拙作の歴史国土というサービスのプロトタイプを利用しています。

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将来的にはちずぶらり2.0(もちろん「ちずぶらり」はATR Creativeの商標なので、別の名前を考えないといけませんが)とマージしたいと考えているサービスで、公開できていない理由は、プロトタイプ機能は2年前に完成しているものの、サービスに必要な機能(ログイン機能ですとか、サービスとしての安定化、UIの整理、利用できるデータサイズの向上等)がほぼ手がついてないためです。
が、機能としては動作しますし、ハザードマップ等の出来合いの地図画像があれば、10分もあればkml/TMS化できますので、もし早急にkml化したい地図があれば、コメント等でご相談いただければ対応します。

ちずぶらり相互ダウンローダ作成しました

前記事で、

震災記憶地図では、次のようなURLスキームで、作成された地図を追加できます。
eqstroll://od/[地図ID].kmz?sup
これ、odという文字が使われているので、これをcsに変えるとcss3~系サーバにあるデータも読めるようです。
すると、いろんなちずぶらりに収録されていて、一緒には比べられない地図を、震災記憶地図上でまとめて一緒に見る事ができます。

と書きましたが、これ、その後地図を読み込む事のできるアプリが震災記憶地図以外にも拡張されているようで、かなりの数のちずぶらりで他のアプリの地図が読み込めるようになっているようです。
各アプリのInfo.plistの解析で判りました。

そこで、各アプリに含まれている地図を別のアプリで読み込み可能にするための、ツールを一つ作ってみました。

ちずぶらり相互ダウンローダ

このツールを使うと、これまで違うちずぶらりに含まれていて、一緒に重ね合わせて見られなかった地図を、一つのアプリ内にまとめることで一緒に比較できるようになります。
利用感はこんな感じ。

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上のセレクトボックスで移したい地図をアプリ選択=>地図選択の順で選び、下のセレクトボックスで移す先のアプリを選んだ後、ダウンロードボタンを押すと、地図のダウンロードが始まります。

前記事でも書きましたが、この仕様を使うと、データとしての所有権のないデータでも読み込めてしまいます。
それはモラルに反するので、飽くまで自己導入済みで、所有権を主張できるデータのみを読み込むようにしましょう。
具体的には、送信元に指定するアプリとしては、自分のiOSデバイスに一度でも導入した事のあるもの以外は使わないでください。

また、ちずぶらりも私のいた2年間に何度も進化していますので、アプリによっては微妙なデータ仕様の差でうまく読み込めなかったり、リンク切れになってたりするものもあります。
残念ながら本ツールはアプリのバイナリから構成情報を機械的に抜き出してきただけなので、そういうリンク切れ等までは対応していません。
その場合、たとえばアプリAのB地図とアプリCのD地図を重ね合わせたい時に、B地図をアプリCに入れようとして失敗するなら、D地図をアプリAに入れる方針に変更するとか、いろいろ試してみてください。

閑話休題、実は他アプリ丸々読み込めるちずぶらりのデータダウンロード仕様

今回作ったツールについては以上ですが、以下ちずぶらりのデータダウンロード機能のこぼれ話。
実はちずぶらりのデータ構造は、個々の地図をダウンロードできるだけでなく、他タイトルの地図アプリをまるまる自分の中に取り込む事もできるようなデータ構造になってます。
なので、データの場所と読み込み仕様さえ知っていれば、下記画像のように、震災記憶地図の中に初三郎ちずぶらりを丸々取り込む事も。

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個々の地図と違ってこのアプリ全体定義仕様はデータが作られていないので、この仕様を公開しても誰も幸せにはならないのですが、こんな機能もあるんだよ、という紹介として。
現在のちずぶらり運営チームにも、せっかくの機能、いろいろ活用して欲しいものです。

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