Code for History

"Code for History"はIT技術を歴史学上の問題の解決に使うコミュニティです。強調したいのは、我々にとってIT技術は「手段」であって「目的」ではありません。「目的」は歴史学上の問題を解決する事であって、必要であればITでない手段も活用します。常に最優先なのは、問題を解決することです。

2匹目のドジョウを得たければ、2匹目のドジョウを目指さないこと

アングル:ポケGO「二匹目のどじょう」は厳しいゲーム各社

2匹目のドジョウを狙いたければ2匹目のドジョウを狙おうと考えるのをやめることじゃないかな。
かつて一時は位置ゲー最大手だった某サービスは、ゲームスキームの全く違うソシャゲのマネタイズ手法を考えなしにそのまま持ち込んだり、追い抜かれて1位になったライバルサービスが成功した某施策を、2位がやっても有害無益な施策だったのにこれもそのまま真似したりして大失敗した。

そして今回のポケモンGOは、マネタイズマネタイズを前面に出すよりも、まず世界観を確立してその中に自然にマネタイズ要素を隠す方が受け入れられる事を示していると思う。

なので、ポケモンGOが流行った、研究して2匹目のドジョウを、ではなく、こういうスキームのゲームでも流行る余地のある事がわかった、なら俺はこんなゲーム作りたい、を追求した方が当たるだろうと思う。

ポケモンGOのマネタイズはB2C2B

ポケモンGO、誰がどうやっていくら儲けているのか プレイヤーは1億人、経済効果は10兆円!?

ソシャゲとの比較視点ではB2CよりむしろB2B(2C?)だというのはその通りだけど、しかし位置ゲーの視点では、昔から位置ゲーはB2B2Cでのマネタイズは当たり前だった。
ポケモンGOのすごいところはそこにプラットフォーム性を導入したところ。

クライアントとしてのBとカスタマーとしてのCが同次元で存在して、運営が中抜き以外不関与で勝手に経済がまわるエコシステムプラットフォーム、B2C2Bとでも言えるような仕組みを導入したところがポケモンGOの新しいところだと思う。

不慮に失われるものへの記憶は事前に残しておくことが大切...なので早くポータル申請復活して欲しい

【Ingress×ポケモンGO】宮城県石巻市にある実物のないポケストップは「記憶のポータル」として津波から生き残ったデータで申請された特別なポータルだった

なるほど。

しかし本来はOSMと同じで、災害が起こる前に残されるべきもの、もっと言えば災害みたいな大規模事象でなくても、地域の事情で消えていくもの(たとえば今なら奈良高畑町の案山子の田んぼとか)を残すために記録されていくべきだと思うので、早くポータル申請復活して欲しい。

..という投稿をFBにしたら、いただいた他の人のコメント引用:『記憶をのこすだけでなく防災とポケモンの組み合わせとか色々拡張可能なアイデアが出てきそう』
ほんとそう!

世界観が一番重要なのじゃなくて、世界観が全てだった

ポケモン取り放題! 大阪の商店街、有料アイテムで集客

位置ゲー作る側の仕組みとして、こういう経路は全く思いつきませんでした。
私ら過去位置ゲー作るときに、世界観が第一とかいいながら、マネタイズ要素は別とどうしても思い込んでて、個別にクライアント開拓して、個別にシナリオ作って、むりくり全体の世界観にねじ込んで...というのしか思いつかなかったですけど、

そうじゃなくて、世界観が第一とかですらなく世界観が全てで、その世界観の中にユーザ同士が利便性を有償で供与できるようなエコシステムさえ作っておいてやれば、後は個別にクライアントなんか開拓したり契約結ばなくても、運営側からはユーザ同士でしかないクライアントとエンドユーザが勝手に経済回してくれて中抜きで儲けられるんだなあと、やっぱ頭いい人らは違うなあとショック受けました。

あとそういう集客だけでなく、うまく使えば投票率アップとか社会問題解決にも使えるわけですよね...世界観が全てでちゃんと設計すれば、そんなポテンシャルもあったんだなあと驚いてます...

ポケモンGOで道路消える問題、データ構造の変更っぽい

ポケモンGO、道路が消える問題っていうの新横浜では中々見つからなかったのが昨日から再現してたけど、アップデートしたら描画の仕方が変わる形で直った。


いくつか小径も追加されてる。

全部同じ太さの地図だとあまりに見にくいから、道路種毎に描きわけるデータに徐々に変更した上で、新データを解釈できない旧アプリで道が消えていたでFAなのかな?

でも描画変えるのはいいけど、消えてた幹線道路が生活道路より細い形で復活してるのがモニョる…
もしかすると種類で描画変えるのではなく、みんな共通に細くしようとしてて、新規追加の小径と主要道だけ優先して更新してるので細くなってるけど、生活道路は更新後回しなので太いままなのかも。

ポケモンGOは「想定外に流行った」というよりは、「位置ゲーが流行ればこうなる」という最初の事例かなと

ポケモンGOの現象って、「ポケモンという人気のガワを被せたというだけだとここまでのヒットを説明できない」というよりは、今まで位置ゲーがヒットした事がなかったから、まさに世界初の現象なので想定外の事に見えてるだけで、「ここまでヒットした」んじゃなくて、「ヒットしてるものが位置ゲーになればこういう事が起きる」初めてのサンプルという捉え方のほうが正しいんじゃないかなと思った。
飽くまで私見だけど。

だって、ポケモンって1万円近い金払って買わないといけないソフトが、以前の勢いはなくなってるとしてもいまだに1シナリオ更新で800万本くらいは出てるわけで。
それだけ払っても買う層がそれだけいる中で、基本無料のソフトが出ればみんなとりあえずは入れてみるでしょう。
そしたら有料コンテンツの10倍とか100倍の数でても不思議ではないわけで、今わかってる数字はこれくらいしかないみたいですけど、むしろ1万円のソフトと比べて無料なのに10倍程度のオーダーしか出てないの?とむしろ少なく見えるくらいで(有料は子供向け、GOは大人向けと差はあるにせよ)、潜在能力はもっとあるでしょう。

で、昔コロプラがコロカやったら、田舎の寂れてた名物店に列ができるくらい人が殺到した、なんて事も起きてたわけで、コロプラのささやかな(当時としてはすごかったですが、PokeGOと比較すれば)会員数でもそれだけの事が起きてたのに、その下手すれば100倍の層が、遠くの田舎じゃなく近くの公園に行くだけで楽しめるなんて形であれば、そりゃ飽きるまでの初動はこのくらいの事起こっても不思議じゃないよね、と思えます。

なので、「予想以上に流行った」じゃなくて、「流行る要素は普通にあるので想定通り(予測できてたかはともかく、後で妥当だと思える程度と言う意味で)流行った、でも初めての流行ジャンルなので、それで起きた現象は想定外と思えるほどだった」というのが正しいのかなと。

ぶっちゃけIngressは流行らないと思っていたので、焦ってポケモンGoには追いすがってる

位置ゲーご意見番のつもりだった癖になぜIngressに走らなかったのかって、位置ゲーを下手に運営してただけに経験則でIngress絶対流行らないと思ってたところもあるのよね。

位置ゲー「ゼロサムゲームの奪取系」「自分との闘い国盗り系」「交流で世界が育つコロプラ系」という系譜があって、ユーザがシジフォスのように終わりのない苦行で消耗するゼロサム奪取系は全く市場が大きくならなかったのに対し、国盗り、コロプラの順で成長したので、ゼロサムゲームは成長しないという経験則を持ってて、Ingressは間違いなくゼロサムゲームなので育つわけがないと思って無視してたら、きっちり最低限は流行った挙句、ポケモンGOに繋がったので焦っているという。

今思えば、ゼロサムゲームといっても個人戦と団体戦では全然違うし、空間に絵を描くとか自己顕示欲要素もあったり、ミッションとかも後から追加されたり、予想外に流行った理由も説明できないではないけど、しかし結果的に経験が目を曇らせるということもあるのだなあと思いつつ、ポケモンGOについてはちゃんと注意と対策を払っていきたいと思っている次第です。

© Code for History